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珍事

先生に無事に会えて、安堵し、駐車場へと移動しようとしたその時であった。すっかり忘れていた、あの日本人男性が寄ってきた。 ボルィースピリ国際空港からは乗り換えだと言っていたので、国内線乗り換えの方へ行ったと思っていた。しかし、聞けばターミナルが違う為、一度ゲートを出たとの事であった。

周知の様に、彼は日本語以外話せなない。私は、よく来ようと思ったなぁと思いつつ、困った様子なので、先生に国内線ターミナルを調べて欲しいと尋ねた。先生は、快く調べてくれた。国内線ターミナルは、見える場所にあるが、荷物が大きい為、一緒にタクシーへ乗せてくれた。

すると、彼は安堵したのか、唯一知っているロシア語を話した.

Я хочу вода.→「私は、水が欲しい」である。タクシーの運転手のサイドブレーキの辺りに横たわっている水のペットボトルを指して言い出した。彼以外、ビックリしつつも、運転手は差し出した。そして、彼は飲んだのである。

内心、先程までの謙虚さというか日本人らしさは何処へ行ったのかと疑問に思っていると、国内線ターミナルへ到着。彼は、笑顔で去っていった。


 
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